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2003年度

10月1日 第157回国会 予算委員会

横光委員
 まず最初に、九月二十六日未明に発生をいたしました十勝沖地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 また、ことしの北海道は、この地震の被害のみならず、台風やあるいは冷害、こういったものが不況の上に覆いかぶさってきた。そういった意味で、北海道の皆様方は今大変な状況になっていると聞き及んでおります。政府におかれましては、この地震対策、地震復旧対策以外にも、こういった総合的な北海道の振興を含めた対策に私は取り組んでいただきたいと、まず冒頭お願いを申し上げます。
 先ほど海江田議員と総理が、自分のことを悲観的に思わないことだということで論争がございました。総理のお話も聞いておりましたが、ちょっと私もそのことで気になったので、私の意見を述べさせていただきます。
 確かに、悲観的に思わないこと、これはそのとおりだと私も思っております。先ほどの総理の説明を聞いてもそう思いました。しかし、総理、あなたは悲観的に思わなくてもいいかもしれませんけれども、今、多くの国民は先行きに対して悲観的な気持ちになっているんですね。そして、そういった悲観的な気持ちにならざるを得ない状況をつくったのは、一体だれなんですか。改革といっては国民に痛みを押しつけて、そしてまた経済失政で景気の悪化が進む。それは、だれだって人間、楽観的に将来に向かって希望を持って生活をしたいですよ。しかし、そういった悲観的にならざるを得ない状況をつくっておきながら悲観的になるなと言うのは、私はちょっと無責任に過ぎないかなという気がしたので、私の意見を述べさせていただきました。
 では、質問に入りますけれども、まず最初に、中国遺棄毒ガス問題についてお尋ねしたいんですが、東京地方裁判所において一昨日、旧日本軍の毒ガス兵器及び砲弾による事故被害について、原告の請求を全面的に認める判決が言い渡されました。私は、毒ガス被害者は継続しておりますし、そして進行する深刻な被害を受けておるわけですから、判決が述べるとおり、救済されるべきだと考えております。つまり、控訴すべきではないと考えております。
 政府はどのように対応されるか、お聞かせください。
UP
福田国務大臣
 戦後処理の問題について総括的に担当しておりますので、私からお答えします。
 今回の判決につきましては、これは政府にとっては厳しい判決であったというように承知いたしております。いわゆる旧日本軍の毒ガス訴訟というものは、これは実はもうワングループあるんです、訴訟が。それは、本年五月に東京地裁判決で、これは国側が勝っているんです。今回は敗訴なんですね。そういうことで、判決が同じような問題で分かれておる、こういうような難しい問題がございまして、今後の対応につきましては、判決の内容を十分検討した上で決めることとしたいというか、そうせざるを得ない、こういう状況にございます。
 いずれにしましても、政府として、こういうような危険な状態に置かれております遺棄化学兵器、これは、今作業を進行させておりますけれども、できる限り早く処理を進めて、そしてこのような問題が起こらないようにしなければいけない、また条約上の義務を果たしていかなければいけない、そのように考えております。
UP
横光委員 
 今御答弁ありましたように、政府にとりましては大変厳しい判決だと思います。これと同様の事件がチチハル市で本年八月に発生しています。一名が亡くなられて四十数名の方々が入院するという惨事が起きたわけですね。このことに対して福田官房長官は、温家宝首相とお会いになられ、適切に対処する、こういうふうに約束されております。そして小泉総理も、呉邦国国会議長、この方との会談で、政府として誠実に対応したいと。官房長官も総理も、このチチハルで起きた惨事に対しては誠実に、そして適切に対処するという約束をされているんですね。そういったことがありますので、控訴するということになれば、これはまた外交問題に発展する危惧を私は感じておりますし、また、さらに中国の高速鉄道への新幹線の導入問題、いわゆる外交問題や経済問題にまで波及する可能性が非常にあるものですから、私は、政府としてはそういったことも勘案した上で控訴を断念するという決断をやはりすべきではないか、このことを申し上げておきます。今回の判決、そしてまたチチハル市で起きた惨事を見まして、本当に戦争というものの悲惨さ、戦後五十八年たった今でもそういった被害が出るという、いわゆる戦争の恐ろしさとか根深さみたいなものを改めて思い知らされたわけでございます。
 さて、その戦争でございますが、アフガン戦争の後を受けてのテロ特措法、この延長の問題がこの国会の最大の課題であろうと思っております。テロ特措法によりまして海上自衛艦がインド洋に派遣されてから、既に二年が経過しようといたしております。この二年間のいわゆる活動にかかった経費、百二十一億円という報告がされました。そして、給油も三十二万キロリットル給油した。しかし、ピーク時は月に一万六千キロリットル給油していたのが、現在ではもう二千キロリットルの給油の状況である。つまり、もう八分の一ぐらいの給油しかやっていないわけですね。そういった意味では、テロ特措法の我が国の後方支援の任務というものはもう一応終わった、そういうふうに受けとめておるわけでございますが、そういった中でさらに延長されるということはなぜなんでしょうか、お聞かせください。
UP
石破国務大臣
 お答え申し上げます。
 確かに、数字は今先生がおっしゃったとおりでございます。ただ、ピーク時は、これはアフガンに対する攻撃と、それからテロリストの捕獲というものが並行いたしておりました。攻撃の場合には大きな艦船が当然参加をいたしております。現在は、テロリストの逃亡というものを防ぐということに特化をいたしておりますので、船は小さい船になってまいりました。隻数というものは、アメリカは確かに減らしておりますが、ほかの国の海軍の船はそんなに減ってはおりません。 要は任務が変わったということでございまして、ニーズがなくなったとは私ども判断をいたしておらない次第でございます。
UP
横光委員
 ニーズがなくなったとは言っていません。しかし、もう相当ニーズも少なくなった状況にあるということは、今説明ありましたね。しかも、ラムズフェルド国防長官が既に五月に、アフガンに対する作戦はもう一応区切りがついたと発言しておるんですよ。その発言一言とってみても、もうテロ特措法の役目は終わったということになるんじゃないんですか。米軍の後方支援からむしろこのアフガン復興の方に軸足を移すときだと私は思うんですよ。
 ですから、イージス艦、昨年大変な大騒動の中で、反発がある中、イージス艦をインド洋に派遣しましたよね、テロ特措法の支援とかいうことで。そのイージス艦は、あれだけ騒がれて出したにもかかわらず、現在どうなっているんですか。イージス艦、インド洋には一隻もいないじゃありませんか。 あのときに、イージス艦を派遣する理由として、居住性が一つありました。もう一つは、みずからを守るためにいわゆるイージス艦の高いレーダー能力、これが有効である、こういう理由で、あのかなりの反発のある中イージス艦を出したわけですよ。イージス艦の高いレーダーの能力ですね。それが今インド洋にいないというわけですから、もういわゆる高いレーダー能力を必要としない状況にまで落ちついたわけでしょう。つまり……(発言する者あり)今はインド洋のことを言っているんだよ。つまり、政府はみずからがテロ特措法の任務は終了していると断言している何よりの証拠じゃないですか、このことが。いかがですか。
UP
石破国務大臣
 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたことと重複して恐縮でございますが、テロリストがアフガニスタンから世界じゅうに逃亡するということを防ぐということは、我が国としてどうしてもやらねばならないことでございます。そしてまた、諸外国の海軍が展開をいたしておりますが、補給をする能力というのはそんなに多くの国の海軍が持っているわけではございません。先生御案内のとおり、六時間、補給する船とされる側が全く同じ距離を保ち、同じ速度でずっと真っすぐ走る、その能力はそんなに多くの国が持っているものではございません。 我が国は、テロリストの拡散を防ぐということ、そしてまたそこにおいて我が国が持っている能力を最大限に発揮をするということだろうと私どもは考えておる次第でございます。
UP
横光委員
 ニーズが少なくなった、ラムズフェルド国防長官はもう一応作戦は区切りがついた、そして、必要であると言って出したイージス艦も行っていない。いろいろな状況を見れば、もう状況は、我が国のやるべきことはもうやったということになるわけでしょう。百二十一億という膨大な金を使って貢献しておるんですよ。 ですから、そういった状況の中で、それは、ニーズがゼロになるまでやるといったら永久にやらざるを得ませんよ。ですから、ここのところは、そういった二年間という時限法なんですから、それは一回区切りをつけるべきだと私は思います。私は延長には反対であるということを申し上げておきます。いいんです、次のに行きます。
 次に、イラク問題。また石破さんにイラク問題についてお尋ねしますが、これは、さきの国会で四十日間も会期延長して、一日も早くという理由で、最後は強行採決をして成立させた。しかし、法はできたけれども施行できない、二カ月たってもできる状況ではない、今そういった状況になっておるんでしょう。今のイラクに、先ほどの質問もございましたように、自衛隊を派遣できるような状況であるわけがないじゃないですか。
 総理があの七月のイラク特措法の質疑のときに、いわゆる戦闘地域、非戦闘地域がどこにあるか聞かれたってわかるわけがないという答弁をせざるを得ないほど混迷していたわけですよ、あの当時でも。あれから二カ月、さらに混迷は深くなっておるんですよ。平和の代名詞と言われております国連の事務所までが襲撃の対象になっている。しかも、その代表者が犠牲になっている。あるいは、イラク統治機構のナンバーツーも犠牲になっている。連日のようにいろいろな襲撃。それに対してまた、逆に市民の人たちを襲撃しているというような状況が今起きておるわけですよ。 それで、そもそも、日本は最初に支持をいたしましたけれども、この戦争そのものが今問われているわけでしょう、間違いの戦争ではなかったのかと。つまり、国連の決議もなく、国連を無視して戦争に踏み切った、そして、その理由が大量破壊兵器、この大義である大量破壊兵器は今なお発見されていないんですよ。そして、このことによって、理由なき戦争であったといって、アメリカやイギリスでは今大変な状況になっておるんですよ、国民の不信が。そして、制圧はしたが、治安するどころか、戦争の前より今のイラクの治安はひどい状況になっておる。結局、アメリカはどうしたか。あの無視した国連に行って、新たな決議を要請するような事態に立ち至っているんですよ。ですから、今本当にかつてのベトナムのような泥沼化状況にあると言ってもいいぐらいのところに、本当に自衛隊を派遣するおつもりなのか。
 私は、総理があのときに、どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か、私に聞かれてもわかるわけがないと答えた、あれはまさに、私から言えば無責任きわまる答弁だと思う。しかし、今こそ責任ある言葉で、今のイラクに自衛隊を派遣できるわけがない、このように答弁すべきだと思いますが、いかがですか。
UP
小泉内閣総理大臣
 私が、党首討論でしたか、あの質問で、どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か言ってみろと言われるから、そんなの私に聞かれてもわかるわけない、当たり前の答弁でしょう。どこがおかしいのか。おかしいと言っている方がおかしいと思いますよ。私は専門家でもないし、イラクに行ったことないんだから。そういう中で、今、政府調査団、専門家を派遣しております。そして、イラクの復興支援については、今、支援国会合を開こうとして、国際社会が協力して、イラクの復興のために、安定のために協力しようとしている。あの開戦時の国連の中での意見の相違はともかく、今は、フランスもドイツもロシアも、やはり国際協調体制をとって、イラクの復興支援、人道支援は必要だということについては、協力体制をとろうとしております。 そういう中で、私は、日本として、自衛隊にできること、政府職員にできること、民間にできること、これを、やはり日本としていろいろな状況を見きわめて、できるだけの人的支援も、あるいは資金支援もしなきゃならないと思っております。現状を見れば、決して安閑としていられる状況ではございません。厳しい状況には変わりません。しかし、こういう中にあって、もし今アメリカが手を引いたら、もっとイラクの混乱はひどいものになると思います。そういうことを考えて、日本は、アメリカとも協力する、国際社会とも協力する、そういう方向で、今後日本としてふさわしい貢献をしていかなければならないと思っております。
UP
横光委員
 総理はかねてから、アメリカとの同盟関係の強化ということをおっしゃっておられます。これは、同盟関係、日米同盟の重要性は私もよくわかっております。しかし、本当の信頼関係を築くには、何でもかんでも、はいはいという形では、私は信頼関係は築けないと思うんです。フランスやドイツがいい例じゃないですか。ちゃんと物申すじゃないですか。私たちの国も、しっかりと物申さなきゃいけない。ここまではできます、テロ特措法の延長も、ここまでやりましたので、ここからはもう私たちはできません、はっきり言えることは言うべきですよ。あるいは、日本の、私たちの国はこういった憲法を持っておりますのでここまでしかできないんですと。それを、特別措置法をつくってまでどんどんどんどんやろうという状況。これはもう、いわゆる日米同盟の強化というより、私は、アメリカの従属的な形がどんどん進んでいくという気がしてならないんですね。本当の信頼関係は、物を申すということから私は信頼関係ができるとむしろ思っております。そもそも、このイラクへの海外の派遣。これは、専守防衛を信じて自衛隊に応募した自衛官、あるいはその家族の皆様方、こういった方々に対する私は契約違反に当たるんじゃないかと思いますよ。そうでしょう。私たちの国は、PKO、国連のもとでの平和維持活動なら海外で活動できます、自衛隊の皆様方が。しかし、国連決議もない中、特別措置法で、あの敵意に満ちたイラクの戦地へ送られるなんて、自衛官のだれが想像していますか。そういったことを今やろうとしている。今のイラクに派遣すれば、総理は七月に言いましたよ、殺すかもしれないし殺されるかもしれない、絶対ないとは言えないと言った。そういうところに派遣するということ。私は、日本の若者をそんなところに送り出すことには絶対に反対でございます。イラクのこの問題に対しましては、国民の願い、そしてまた意思、これにも反しているんです。九月十一日の毎日新聞の世論調査によりますと、「イラクへの自衛隊派遣を可能にする法整備」、いわゆる今回の特措法ですね、この特措法に賛成はわずか二%なんですよ、総理。わずか二%、この法整備に賛成する人。そして逆に、間違っていたと思う人、四三%。あとの三十何%はわからないという方。いわゆる国民の多くは自衛隊のイラクへの派遣を望んでいないというのがはっきり出ているんですよ。こういった国民の声を、私は、総理大臣であるならば大事にしていただきたい。断固として自衛隊のイラク派遣には反対であるということを申し上げておきます。
 次に、郵政の民営化問題についてお尋ねをいたします。麻生大臣にお尋ねいたしたいんですが、総理は、麻生さんは郵政民営化に積極的賛成論者だ、だから総務大臣に起用した、こう述べておられます。あなたは総理の言われるように郵政民営化に対し積極的な賛成論者ですか。
UP
麻生国務大臣
 民営化に積極的な賛成論者であるがゆえに指名されたと思ったことは一回もありません。
UP
横光委員
 あなたは郵政事業の所管大臣ですよね。本来であれば、総理の民営化の先頭に立つはずの立場ですよね。そのあなたが、そして今のような答弁をされたそのあなたが、就任後のインタビューで、ではなぜあのような発言をされたんですか。まるで、あの発言の内容は、ほぼ民営化はできない、難しいというような趣旨の内容になっておるんですよ。あなたは、責任ある立場というのは――ちょっと待って、まだ質問しておるんだ。ですから、なぜ……(発言する者あり)反省、反省したってだめだ。物理的に無理だとか、総選挙の公約にするのはやめた方がいいとか、まるで今の言ったことと違うことをそのときには言っているじゃないですか。言っていることとやっていることが全然違いますよ。では、物理的にもう無理だと言ったことは取り消す、必ずやると言うんですか。あるいは与党の公約にすると言うんですか。おっしゃってください。
UP
麻生国務大臣
 これは、ちょっと原文をよく読んでいただかぬとならぬので、えらく時間がかかることになると困るでしょう、あなた。だから、はしょった方がいいでしょう。そうすると、はしょるということは、また誤解を生むから、だから、この種の話は、後で書類か何か差し上げて読んでいただいた方がよっぽどよろしいんだと思うんですね、あなた自身にとりましても。ただ、はっきり言わせていただきますけれども、二つの点だと思うのですが、党の責任者、ついこの間まで政調会長をしておりましたので、党の責任者としてはということを言える立場にもうなくなりました、したがって、党としてあれこれ言う立場にはありませんので、その種のことに関してはお答えする立場にないとまず最初に断ったというところがずっとありまして、大体こういうのにはめられるということを大体予想できる質問でしたから、そういったことをきちんと断った上で、その上で、党としてこれをやる立場になると物理的にはえらい時間に追われることになりますなという話がまず前提。それから二つ目に、総務大臣をお引き受けした後、立場になりましては、小泉内閣の方針を踏まえ、国民的論議等々、小泉総理が所信で言われたとほぼ同じ言葉を使って説明をしておりますので、きちんとした対応になっておると思っております。
UP
横光委員
 私は、あなたの最初のインタビュー、ある意味では所信ですよね、大臣に就任された後の思いですから、これは所管する省の抱えている課題や問題点や抱負を述べられたと思うんですよ。ある意味では本心を述べられたと思うんですね。ですから、そういった意味では、決して言ったことが私は間違っていると言っているんじゃないんです。私は、むしろ本心をついているなという気がしているんですよ。大変失礼な言い方になりますが、イエスマンばかりと言われる閣僚の中で、あなたは堂々と私は本心を言った一人だという思いを持っておるんだ、あのときに。それで、先ほど言いましたように、政調会長時代にも、あなたは政府を支えるべき与党の、自民党の政調会長という立場でありながらも、やはり小泉さんの経済政策に対してはちゃんと意見を言って反論を述べていたじゃないですか。そういった意味では、正直な人だなと思っておったんですよ。そして、今回のインタビューでも、私はいいことを言っているなと思うんですね、いや本当に。総理は、民営化すればバラ色のようなことをおっしゃいますが、この問題はどれだけ多くの難題がございますか、そのことをあなたはおっしゃっている。まず、国民にとっての利便性や安心感、あるいは料金の問題、国の方が銀行より信用があるから資金が郵貯に行く、郵貯が民営化されると資金はどこに行くのか、国債の引き受け手はどうなる、郵便局がなくなってしまう危険性がある。そして、一番あなたがいいことを言ったなと思うのは、政治は弱者を救う視点を忘れてはならない、ここまで言っておるんですよ。核心を私はついていると思うんです、この民営化の問題の。そういった意味では、私は、どうか自信を持って、むしろ、取り消すとか修正とかするんじゃなくて、最初に言った思いをずっと主張するべきだ、そういうような気がいたしております。もちろん、郵政公社の改革、これから必要だと思います。しかし、今、郵便局は国民の生活の一部になっております。私は郵政民営化に反対であるということを申し上げておきます。
 次に、政治改革についてお尋ねをいたします。さきの自民党総裁選で小泉さんと戦いました高村さん、高村さんが自民党の体質改革の必要性を訴えておられるんですよ。高村さんはこうおっしゃっているんです。自民党の政官業の癒着やしがらみに対する国民の評判は悪い、これを直さなければならない、こういうふうに総裁選のときにおっしゃっておるんですね。これから自民党の総裁の座をねらう人が、ここまで自民党の体質をしっかりと把握して、しかも、これを直さなければならない、そういうふうにおっしゃっている。あとはもう推して知るべしでございますが、しかし、高村さんは総裁になれなかった、それで小泉さんがなられた。ところが、小泉さんは、自民党をぶっ壊すと言いながらも、高村さんの認識しているいわゆる政官業の癒着とかあるいは金権腐敗体質そのものとも言える自民党の体質改革、高村さんはやろうとしたんですが、あなたはその改革をほとんどやろうとしませんね。改革、改革と言いますが、いわゆる政治改革に対しては一番私は不熱心だという気がしてなりませんよ。こういった改革、みずからの党の改革には背を向けている、目をつぶっている、他人事のようにしか振る舞わない、そういう気がしてなりません。しかも、それとまた逆に、今回、与党三党は、現行法の方がまだましだと言ってよい公開基準の引き上げを内容とする法案を出している。厚顔無恥ここにきわまれりということですよ。今現在、政治家個人への政治献金は禁止されていますよね。しかし、政党支部経由政治家個人行き、この抜け道があるんです。この抜け道を多くの議員がくぐり抜けている。この抜け道がある以上、この法案はあってなしがごとき。ですから、この抜け道をふさがなければならない。ふさぐためには、政党への献金を禁止するしかないんですね。それができないというのであれば、せめてその抜け道を細くしなきゃならない、通りにくくするようにしなければならない。そのために、私たち野党は提案しておるんですが、まず、献金できる政党支部、この数を規制すべし。そして、税金の政治家への還流にほかならない公共事業受注企業からの献金の禁止、献金の規制。この二つをまずやるべきだ。企業・団体献金の禁止ができないのならば、せめて道を狭くするような努力はしなきゃならないだろう。それを言っているんですが、そのことにもなかなか事を起こそうとしない。総理、今度改めてあなたは自民党の総裁になられたわけですから、高村さんのような考えの方もおられるのですから、ここは、この二つを取り組むと明言していただきたいと思います。
UP
小泉内閣総理大臣   
政官業癒着を正す典型的な改革が郵政三事業の民営化なんです。なぜ郵政三事業、国家公務員でなきゃできないのか。今までどの政党も、私が総理に就任する前、言えなかったんです。役人の票を当てにしてはいかぬと。この郵政三事業に今まで自民党も野党もみんな反対していたのは、政官業癒着の典型的な問題が、この郵政三事業、郵貯、簡保の事業から派生する財政投融資制度、この財政投融資制度を使って各種特殊法人に資金が流れている。官の分野の一番しなきゃならない構造改革なんだ。ところが、各政党は、野党も含めて、郵政三事業にいそしむ全逓の労働組合、全郵政の労働組合、国家公務員の票を当てにしない、官の分野の票を当てにして何で官業の構造改革ができるのか。自民党も、特定局長の国家公務員の票なんか当てにするな、国民全体の改革を考えなさいと言って、私は長年郵政三事業にメスを入れろと主張してきたんです。ようやく民営化の議論が課題になってきた。私は、そういう点から、まず政官業の癒着を非難するんだったら、何で郵政三事業は公務員じゃなきゃできないのか、民間でやらせるようにしないのか、そういう政策を変えるということが大事である。まず今まで自民党も反対していた郵政民営化問題、私が総理に就任する前に、民営化の議論さえも認めないということだったんですよ。今、再選されて、民営化を内閣の基本方針にして、みんなが協力してくれると言っているんです。だから今後も、野党も、国家公務員の票を当てにしないで、官業の構造改革に踏み込むんだったならば、郵政三事業の民営化にも道路公団の民営化にも賛成して、まさに……(横光委員「今、私は別に民営化の問題を論議しようとしているんじゃないんです」と呼ぶ)政官業の癒着を正すための改革に自民党と協力すべきであると私は言いたい。同時に、政治資金のあり方についても、薄く広く、政党に国民から献金していただくような体質改善をなさなきゃならぬのは当然であります。自由民主党としても、多くの国民から政治活動資金を提供していただけるように、日ごろの政治活動についても、政党としても政治家一人一人にしても、襟を正して、民主政治を育てるための献金はどうあるべきかということについて、各党各会派の意見を聞きながら、真摯にこれからも政治改革に取り組んでいきたいと思います。
UP
横光委員
 総理、私が聞いたのは、もう時間がないんですから、政党支部への数の規制をどうするか、あるいは公共事業受注企業の献金は規制をどうするかということを聞いたんですが、全然答えにもなってないし、やる気が全然見えません。
 私たちが政権をとったら、この二つ、即やりますよ。実行します。(小泉内閣総理大臣「郵政民営化はできないだろう」と呼ぶ)違う。この二つと言ったじゃないですか。1  リクルートとか……(小泉内閣総理大臣「役人の票なんか期待していないよ」と呼ぶ)ちょっと、ちょっと総理、黙っていてください。  リクルートとか佐川事件とか、いろいろな腐敗事件を背景にして、私たちこの十年間政治改革をやってきて、徐々に徐々に、少しずつですが規制をしてきました。しかし、今回の与党三党が出している公開基準を上げるというあの法案、あれほど私は国民を愚弄した法案はないなという気がしてならないんですね。これまでの十年間は一体何だったんだろうかという気がしてなりません。政治改革の成果をなきものにするに等しい法案だと思っております。当然、与党案は撤回、廃案を求めておりますが、これに対する意見を聞くとまた五分ぐらいしゃべられますので、私の意見として申し上げておきます。2  次に、本当にこれを聞きたかったのですが、農業政策を聞きたかったんですよ、やりたかった。世界は今、本当に人口増加の一途をたどっておるんですね。それと逆に、地球的規模で気象条件の激変によって、耕地面積は減少しているんですね。ですから、世界的な食糧危機の到来、この可能性を否定できる状況じゃないわけでございます。そういった中で、我が国においては、さきに改正食糧法が成立をいたしました。しかし、この改正食糧法に代表されるように、国の農業政策はこれから効率化、市場化、大規模化、こっちの方向が非常に明らかになりましたね。しかし、私は、農業の基本は、食の安全、環境保全、そして自給率の向上、この三つを何としても実現していかなければならないと考えておるんですよ。ですから、総理、農業は工業のように、効率化とか市場化とか大規模化によって、先ほど言った、食の安全とかあるいは環境保全とか自給率の向上が図られると本当にお考えなんですか。お聞かせください。
UP
亀井国務大臣
 お答えいたします。食料・農業・農村基本計画に基づきまして、その理念に基づきまして今実施をしておるわけであります。そういう中で農業の継続的な発展を図るためには、初めに供給ありき、こういうことではならないわけでありまして、そういう面で、市場を通じて消費者や実需者のニーズに合う体制、これに努めなければならないわけであります。
 そういう面で、先般、食糧法の改正をお願いし、そして今、農業者、農業団体あるいは地方団体の皆さん方が、集落経営体あるいは水田農業ビジョン等々、いわゆる消費者の需要に合う体制、この努力をしていただいておるわけであります。そのような中で、食の国際化の中で、食糧の自給率の向上を図ることに結びついていくんではなかろうか。あわせて、生産性の向上、こういう面で消費者、市場の求める農産物の安定供給に向けての意欲と能力のある担い手の育成、これで望ましい農業構造の確立を急ぎたい。あわせて、食の安全、安心の確保に万全を期す。こういう面で、農業の自然循環機能の維持であるとかあるいは環境保全農業の推進、こういうものに取り組んでまいりたい。
 実は、八月末に、平成十七年を目途に新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向かって、これまでの施策の徹底的な検証と見直しを指示したところでございまして、そういう中で、消費者、国民の期待にこたえる我が国の農業、農村の構築を図ってまいりたい、このように考えております。
UP
横光委員
 いや、私は、効率化とか市場化とか大規模化では、今言われたような自給率の向上とか環境保全とか、そういった多面的機能は全然だめになっていくと思いますよ。もちろん、申すまでもございませんが、農業、食糧というのは、人間の生存に不可分のものでしょう。切っても切れない。ここが工業や商業と決定的に違うところなんですよ。しかも、農業は気象条件との闘いでもあるんですね。この気象条件に左右されて、豊作もあれば、不作もあれば、凶作もある。今回の東北、北海道のそれが一つの例なんですよ。それほど農家の方々の苦労は並大抵ではない。私も農家の四男坊ですから、この苦しみはよくわかっておるんです。ですから、今、そういった日本で食の安全の確保とかあるいは多面的機能の発揮とか自給率向上という課題を実現していくには、私は、日本農業が築き上げてきた集落営農機能を活性化する以外に道はない。このためには、今大臣も言われましたが、すべての生産者が農業を持続的に維持できる制度が必要なんです。そのためには、新たな直接所得補償制度、これも一つの案だと私は思います。これについてお考えをお聞きしたかったんですが、時間がないので、今、私の意見として述べさせていただきます。それからまた、本当に大規模化を進めようとすると、中山間地域はもうやっていけませんよ。そうすると、国土の保全、あらゆることに影響していくわけですね。こういったことから、やはり一部の人たちの農業でなくて、すべての人たちが農業生産に取り組める、私は、そういった形を国は政策として行っていくべきだという気がいたしております。そしてまた、株式会社の農地取得、これをやると本当に農業は立ち行かなくなる、これは私は反対であるということを申し上げておきます。文科大臣にお尋ねするつもりでしたが、こういった、総理が食育という言葉を使われましたので、このことで、子供のころから米を、米飯給食というものが非常に重要であるという思いでちょっとお尋ねしたかった。いや、もういいんです、時間がない。本当に済みませんでした。それで、今、直近の世論調査で、ほとんどの国民が同じ答えを出しておるんですよ、総理、ほとんどの世論調査で。今、政府に何を一番望むか。まず第一に景気回復、そしてその次に雇用失業対策、それから社会保障の充実、この三つが断トツなんですよ、どの世論調査を見ても。この三つが断トツだということは、これをやってほしい、つまり、これがやられていないということなんですね。これが今、国民の声なんです。しかも、国民の八五%が将来に不安を感じている、こういったアンケートも出ております。そして、これは年金を中心とした生活費の問題、あるいは、医療費が上がるけれども医療は受けられるか、あるいは介護は十分に受けられるだろうか、こういった多くの不安が今国民の中によぎっているわけですね。そして、これはちょっと衝撃的だったのは、日銀の関連委員会の調査によりますと、収入減で貯蓄を取り崩して現在貯蓄なしというのが二二%という大変衝撃的な数値も出ております。このように、今、生活の不安、現実の不安にかてて加えて、外交、安保政策の不安、あるいは政治家に対する不安、不信、今、国民を取り巻く状況は、不安や不信や不満が渦巻いている。そういった中で、十一月にも解散・総選挙が行われようとしております。私は、国民はこういった不信や不満や不安を吹き飛ばすために怒りを込めて立ち上がってくれると信じておりますよ。私は、政権に対して厳しい鉄槌を下してくれると信じています。国民を侮らないでください。有権者を甘く見ないでください。
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